月光社
Gekkosha
月光社はつじとしゆきを代表とする人形制作集団。
1996 活動開始
2000 INFA2000(ドイツ・ハノーバー)
2004 球体関節人形展(東京都現代美術館)
2006 文化庁メディア芸術祭エンターティメント部門賞受賞
2015 ART DOLL EXPO(上海)
2016 ART OF DOLL(モスクワ)
東京在住
今回のテーマの森のイメージから、熱帯雨林の繫るパプアニューギニアをテーマとして選びました。
パプアニューギニアを思いついたのは水木しげるさんの自伝戦争マンガや諸星大二郎さんの「マッドメン」という漫画が印象に残っていたからです。両作品とも熱帯雨林の中に人外の文化や精神を発見するというテーマがあり「みそろぎ展」の今回のテーマに合っていると思っています。
モチーフにしたマッドメンは現実にパプアニューギニアに存在する土の仮面です。この仮面をつけ、体を白塗りにした男たちの舞踏を観光客が見ることができるそうです。漫画「マッドメン」では祖霊崇拝のシンボルの妖精として登場します。しかし、マッドメンの歴史は比較的新しいもので祖霊崇拝の意味はないと言われています。
「みそろぎ展」は人形の発生に伴う人形が持っていた諸要素(遊び、呪術、祭祀)について現代の立場から制作を通じて表現する場所だと思っています。その面でマッドメンは良い手本かもしれません。
「悪夢」は水木しげるさんの戦争漫画がもとになっています。水木さんが部隊からはぐれ深夜の森をさまよっていた時、妖怪のようなものを見たというエピソードから発想しました。自分は幻想を表現する上に置いてそれが現実の延長線上にあるものであるという事を表す為の仕掛けとして必ずその様なモチーフを配するように気を配ってます。「悪夢」の旧日本兵、先日の個展の小学生などは幻想の境界であり起点ということになっています。一歩踏み込んで言えば同じ様に我々の日常も幻想の境界と起点であり人形こそがそのことを気づかせてくれる「依り代」となっているわけです。